湯の花のできるまで

別府八湯 薬用入浴剤 900g×3本パックセット

 

別府明礬の湯の花採取法は、他の温泉地とはちょっと違っています。まず湯の花作りにかかせないのが原料となる青粘土(モンモリロナイト)を採掘することなのですが、別府地方特産の青粘土はごく粒子の細かい粘土なのが特徴で、鉄やアルミニウムなど鉱物質を豊富に含んだ特殊なものとなっています。

 

次に伝統的な湯の花小屋を建てます。これは地面を少し掘り下げた位置に基礎石の上にタル木や竹で骨組みをして、チガヤとワラで何層にも積み上げるのですが、釘やカスガイなどの金属製のものを一切使用せず、それでも湯の花を風雨から守り、室温、湿度を一定に保つ役割を果たします。

 

基本的に三年程度で寿命となります。湯の花小屋の中には石が敷き詰められますが、大、中、小の栗石を蒸気が均等に噴出するよう、隧溝という蒸気の通り道を作って、小さなすき間を空けながら敷き詰めるのがポイントです。

 

栗石の上に乾いたワラ、チガヤを敷き詰めた上に白土を20~30cmの厚さに敷き詰めます。ちなみに青粘土は一度湯の花を作るとミネラルが抜けて白土に変わります。更には粘っこい粘土を手で砕いて一定の厚さにして、足先で全神経を集中しながら踏み固め、最後に湯の花小屋に温泉ガスを引き込みます。

 

昔は自然の温泉ガスの噴気だけが頼みでしたが、現在ではバルブで噴気を一定量供給されるようコントロールしています。こうして噴気が通った10日後には、表面に霜柱のような湯の花が育成し、これを一度踏み固めて、更に夏期で40日、冬期で60~70日の時間をかけて成長させるのです。こうした手間のかかる工程を経て湯の花は完成するのです。